聴覚障害と支援機器
【概要】
聴覚障害者が職場で使用する機器として、主にコミュニケーションを支援する機器があります。例えば、電話でのコミュニケーションを支援する電話関連機器、テレコイル対応の補聴器などに音声を磁気誘導によって伝達する磁気ループシステム、対話支援スピーカー音声による文字入力やアプリケーションの操作ができる音声認識ソフト・アプリなどがあげられます。
また、離れた場所でも、業務上の連絡事項や緊急時の連絡などを光信号やバイブレーションなどで知らせるための屋内信号装置、電子メールの着信を光でお知らせしてくれるメール着信通知装置もあります。
伝音性難聴の場合、音声を拡大する機器を使用することで補聴効果が表れやすいですが、感音性難聴の場合は、上記のような電話関連機器や拡聴器等が適合しないことが多くなります。その場合は筆談支援機器などの使用やメールのように電子データでのやりとりなど他の方法でコミュニケーションを図ることを検討する必要があります。詳しくは、「障害別に選ぶ」から具体的な製品の情報をご覧いただけます。
【職場で使用する支援機器】
- 電話関連機器:
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電話の受話音量の増幅により、相手の声を聞き取りやすくするための機器です。受話器に取り付けるタイプや電話機本体に接続するタイプ、受話器ごと交換するタイプなどがあります。
- 補聴援助システム:
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磁気誘導によりマイクで話した声などを専用の受信機を通じてテレコイル(※)対応の補聴器、人工内耳などに直接伝えることができる機器です。周囲の雑音を抑え、高音質な音声を聴取することができます。また、テレビやパソコンなどマルチメディア機器に接続することもできます。
(※)テレコイルとは、部屋や機械にセットされた線路に音声信号を流し、補聴器に内蔵された誘導コイルで聞き取ることができる機器です。空間に音が流れず電気的なつながりで聞くため、周囲の雑音がカットされ音声をクリアに聞き取ることができます。 - 対話支援システム(スピーカー):
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難聴者用スピーカーで聴こえにくさを改善し対話をスムーズに行うことができます。
- 携帯型無線呼び出しシステム:
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業務上の連絡事項や緊急時の連絡など必要情報を送信機から無線を使って発信し、光信号またはバイブレーション機能を持つ受信機に知らせることができる機器です。離れた場所で働いている人たちに同じ内容のメッセージを一斉に同時送信したり、一人ひとり別々に送信したりすることもできます。
- 音声認識ソフト、アプリ:
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音声による文字入力やアプリケーションの操作ができるソフトウェアやアプリケーションです。会議や朝礼、作業指示の際など、筆談や手話を使うことなく、必要な事項を伝えることができます。クラウド認識する音声認識アプリの登場で認識率・利便性が飛躍的に向上し、職場でも広く活用されるようになりました。
- 筆談支援機器:
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磁気式のものや、暗い場所で発光するもの、ホワイトボード式のもの、電子式のものがあります。筆談による意思疎通だけでなく、メッセージボードとして使用したり、接客業の場合には、お客様とのコミュニケーションに活用したりすることもできます。

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